抗凝固薬を使っている患者の脳出血時のreversal treatmentまでの時間と転帰の関係

今日はJAMA Neurologyから,抗凝固療法を行っている患者が脳出血を起こしたときに,抗凝固のreverse治療開始までの時間と転帰に関係があるか見てみた論文だ.

 

Time to Anticoagulation Reversal and Outcomes After Intracerebral Hemorrhage

https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2815044?guestAccessKey=11e1530a-832a-4d56-ba23-2fb8bad03432&utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=jama_network&utm_content=network_highlights&utm_term=021824&adv=000002239160

 

AbstractとFig, Tableしか読んでいない.

まぁ,速いほうが生存によいという結論はそうなのだが,かなり差が微妙で,脳出血はやはり難しいようだ.Table2がメインの結果だが,DTT (Doorから治療までの時間)が60分以内と60分より後でわけていて,DTT≦60分だと院内死亡率が31.9%,DTT>60分だと28.7%とはっきりした差がないように見えてしまう.mRSで見ているfunctional outcomeも差がはっきりしない.

使っている中和剤に差があるのはひとつ問題かもしれない."type of reversal agent (vitamin K, FFP, PCC), including factor Xa inhibitor reversal (andexanet-alfa) and thrombin IIa reversal (idarucizumab)"とあって,そりゃワーファリンにvitK使うのとPCC使うのでは全然違うだろという気がするし,Xaに対してandexanet使うのも毛色がまた全然違ってくる.しかしそれを全部ひっくるめた実臨床的なデータということなのだろう.